シニア世代に限らずとも、スマホを購入しようとする時にまず頭を悩ませるのが、どの機種にするかではないでしょうか。そして、その機種選びの第1歩が、iPhone(アイフォン)とAndroid(アンドロイド)のどちらにするのか、です。ここでは、シニア世代に焦点を当てて、『iPhone』vs『Android』の選択について、考えてみたいと思います。
目次
機種選びはシニアじゃなくても大変!
スマホを買おうと決心して携帯ショップに飛び込むと、店員さんがかけてくるひとこと目は「機種はお決まりですか?」です。スマホの機種は選択肢があり過ぎて、何を選んでいいのか本当に難しい。「何の機能が必要ですか?」って店員さんに聞かれても、「いや、その前に、どんな機能があるのかを教えてください!」って思います。せっかく覚悟を決めてスマホにしようと思っても、早速決心が揺らぎだしてしまう瞬間です。
そんな機種選びですが、ここだけは事前に考えておきたいというのが、スマホを「iPhone」にするのか、「Android」にするのかです。
iPhoneとAndroidって何?
スマホデビュー前の方でも、このiPhone(アイフォン)とか、Android(アンドロイド)という言葉は聞いたことがあるかもしれません。ざっくり言うと、どちらもスマホの種類なのですが、正確にはAndroidというのはAndroid系スマホのことで、Androidという基本ソフト(OS)で動くスマホの機種をひとくくりにした呼び名です。
一方、iPhoneの方は、iOSという基本ソフトで動く、アメリカのApple社が作ったスマホの機種名(ブランド名)です。iOSという基本ソフトをApple社自体が開発していて、iOSを搭載するスマホはiPhone以外にはありません。
Android系スマホの総数は断然多いですが、1つの機種としてはiPhoneは世界で最もシェアの高いスマホです。特に、日本での人気は非常に高く、スマホユーザーの約半数がiPhoneユーザーとなっています。
iPhoneとAndroidでは、タップやスワイプなどと呼ばれる画面のタッチ操作を使うのはどちらも共通ですが、各種設定やアプリ操作、セキュリティ対策など、様々な部分で両者は大きく異なります。それぞれ、どんな特徴があるのかを次に見ていきます。
デザイン性抜群の「iPhone」
高いデザイン性でブランドイメージのあるiPhoneは、日本ではほぼ全ての年代層で最もシェアの高い機種となっていて、世界的に見ても日本におけるiPhone人気は際立っています。特に、流行に敏感な若年層や女性の間で圧倒的なシェアを誇り、女性の8割がiPhoneを使っているとする統計もあります。若年層や女性ユーザーはファッションセンスや流行に敏感で、ブランド志向が強く、周りで使われているものを自分も持ちたいという意識が強いからかもしれません。
また、iPhoneはApple社でのみ作られているため、操作性が統一されていることや通常はウィルスが存在せず、セキュリティ対策の必要性があまりないことも、シニアを含む、スマホ初心者にとって魅力となっています。AndroidよりもiPhoneの方が操作自体が簡単だとはあまり思いませんが、それでもそのように言われることが多いのは、機種のシェアが高く、より多くの人が同じ操作をしているからでしょう。
多様性の「Android」
Android系のスマホは、Google社が開発した基本ソフト「Android」をベースに、携帯電話の各メーカーが防水機能やおさいふケータイなどといった多彩な機能でそれぞれの機種に特徴を持たせて製造しています。
カスタマイズといった点においてもAndroidは優れています。アプリを利用すれば、ホーム画面のアイコン表示方法や時計、バッテリー残量の表示方法などを変更することも可能です。普通のスマホの画面をかんたんスマホのような表示にすることもできます。
機能や性能のスペックが多彩なこともあり、価格帯も機種によって大きく異なっていて、ユーザーのニーズに細かく対応できるというのがAndroid系スマホの特徴だと言えます。
iPhoneとAndroid、シニア層はどちらを選ぶ?
MMD研究所調べによると、携帯電話を所有しているシニア層においてスマホを利用している方が年々増えているという結果が発表されています。2014年のスマホ利用者は30%未満でしたが、2018年には約60%と大きく増加し、半数以上がスマホを所有していることになります。
シニア層のiPhone・Androidのシェアについては、2018年に発表されたデータによると、シニア層(60代の男女)のiPhoneシェア率は約35%、Androidシェア率は約65%となっています。前に述べた通り、iPhoneは若年層、特に女性で多くなっており、例えば10代女性で7割以上、20代女性でも6割以上がiPhoneなのですが、シニア層ではそれが逆転してAndroid系スマホが多いのです。
シニア層がAndroidを選んでいる最も大きな理由は、ずばり機種の本体価格でしょう。iPhoneがそのブランド力で本体価格がかなり高めなものだけなのに対し、Android系スマホの多彩な機種のラインナップには、スペック抑え気味のリーズナブルな機種があり、それがシニア層には受けているのです。
でもこれは、単にシニアはお金を使わないということではありません。シニアがスマホをどのように使っているかということに関わっています。残念ながら、多くのシニアにとって、スマホは単に電話とメールにネット検索を少しする程度のものにすぎません。使用用途がかなり限定的なのにもかかわらず、価格の高い高性能のスマホを選ぶというのにシニア層は抵抗を覚えるのです。
Android系スマホは、各携帯電話メーカーが特徴を持たせて製造していますので、同じAndroidを用いているとはいえ、それぞれの機種で仕様や設定、アプリが異なります。そのため、異なる機種だと操作方法がわからない、人に教えられないということが多々あります。ましてや、世代が若い家族はiPhoneを使っている可能性も大きく、Androidはわからないと言われてしまうこともあるでしょう。
また、自分で勉強しようにも、機種ごとに操作方法が異なり、それぞれの機種のシェアはさほど大きいわけでもないAndroid系スマホの場合、個別の機種を取り扱う市販教材はほとんどありませんし、あってもそのバリエーションは限られています。スマホ教室もシェアが大きく教えやすいiPhoneに偏っています。よって、携帯ショップが最低限の準備やサポートをしてくれる電話やメールの機能以上に、シニアが使用用途を増やしていくのは、なかなか簡単ではないのです。
シニアが選ぶべきスマホは…
せっかくスマホを始めるのに、安易にAndroidの安価なスマホに手を出すというのは、おすすめしません。スマホは若い年代層ユーザーだけのものではなく、シニア層にとっても、電話やメールに加え、日常生活を楽にしたり、お得にしたり、楽しくしたりできる頼もしいツールになりえます。
まずは、身近な家族や友人の使っている機種と同じものを中心に検討すべきかと思います。それが仮にiPhoneならば、価格的な選択肢はさほど多くはありませんが、家族友人に教えてもらったり、もし家族友人に教えてもらえないとしてもiPhoneを取り扱うスマホ教室や市販教材は多いので、そちらで電話とメール以上の幅広い使い方を身に付けていくべきだと思います。
家族友人がAndroid系スマホを使っているのなら、まずは同じメーカー製造の比較的安価な機種で購入して、使い方に慣れていきましょう。Android系スマホは市販教材やスマホ教室はそれほど期待できませんが、家族友人に使い方を習い、Android操作に慣れた時点で、Android系スマホならではの幅広い選択肢の中から自分好みの機種に変更して、スマホ生活を楽しんでいければよいのではないでしょうか。
もしも、周りにスマホの操作方法を教えてもらえそうな家族友人がおらず、また金額的にもAndroid系スマホのエントリーレベルで購入されないといけないようでしたら、札幌EZパソコンスクール&テストセンターはじめ、Android系スマホも教えてくれるスマホ教室を探してみてはいかがでしょうか?
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